高貴なる社長のストレートすぎる恋愛に辟易しています。
一歩オフィスのなかに入ると、広々としたフロアの真ん中にパソコンが備わったクリーム色のデスクと青色のチェアのセットが4つ。

あとは隣に来客用と会議用を兼ねたスペースだろうか。

大きなテーブルを取り囲むような椅子が並べられている。

技術系の作業をしている人たちは下のワンフロワーを貸し切ってそこで業務を行っていた。

シェアオフィスビルの角にオフィスがあるということもあり、部屋の奥は窓がたくさん並んでいる。

窓に打ち付ける雨音がBGMのように響いていた。

今は白いブラインドがすべて下ろされているが、天気のいい日は近くの公園や遠くの山々が望めそうな感じだ。

株式会社フジサキコンサルパートナー。

WEB系企業の草分的存在だったウチの会社から子会社化するため独立。

多くのWEB系ソフトの製作や技術者を配している。今後はいろんなことに挑戦していこうと躍進中らしい。

わたしが配属されたのは事務局で主に各部署にいる人たちの庶務を担当することになった。

「藤崎時宗です。片桐つむぎ、つむぎさんか。よろしくね」

少し照れ笑いを浮かべながら藤崎さんはわたしを見下ろしている。

「は、はい。藤崎さん、社長なんですよね」

ぎこちない返事をしてしまう。

「若い社長じゃあ不満ですか?」

「い、いいえ、そうではなくて」

こんな素敵な社長がいるだなんて全然知らなかった。

かっこよすぎて目のやり場に困る。

みかねたもう一人がニヤニヤしながらわたしに詰め寄る。

「兄貴だけじゃ不満なんだろ。まあ、俺がいるから安心しろ。つむぎ」

自身の胸をドンと拳でつきながらえらそうにしている。

なんてなれなれしいんだ、初日から。
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