恋の契約は永遠に



麻耶と付き合いだして、俺のマンションで同棲する事にした。
俺が麻耶と毎日居たかったから麻耶に頼んだんだけど、やっぱりちゃんと告白したあの日、大切にするって決めたのに抑えきれなくて麻耶を抱いてしまった事を気にしていた。


その日のうちに抱いてしまって、大事にされてないんじゃないかと思われてるんじゃないか、軽い男なんじゃないか、と思われてしまったんじゃないかと不安にもなった。


だけど麻耶は普通で、二人で居るときは社長じゃなく"一郎"と呼んでくれるようにもなったし、一緒に寝るのも嫌そうではない。


勿論、好きな人が隣に居ると抱きたくなる。
だけど大事にしたい気持ちが強くて、自分の欲求を抑えている。
隣に居てくれる事が嬉しいし、幸せを感じる。
麻耶の体目当てで付き合ったわけじゃないし、結婚したいと思っている。
こんな風に思ったのは麻耶が初めてだし、焦らず楽しく会話したり、笑い合えるだけでいい。



でもやっぱ仕事だから出張は仕方ないけど、麻耶と離れるのは寂しい。
あんまり感情を出しすぎると麻耶に嫌われてしまいそうだしな……。


俺は仕事モードに切り替えて新人にビシバシ指導した。


長い指導も終わり、全国から集まるから人数も多いし食事会は賑やかだ。
食べて飲まされてようやく開放されて直に部屋に戻って麻耶に電話をした。


『もしもし』


『今終わってホテルに帰ってきた。友達といるの分かってるけど麻耶の声がどうしても聞きたくてさ』


麻耶の声を聞くだけで疲れが吹き飛ぶし落ち着く。


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