ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
小陽は椅子に腰を下ろし、肩掛けタイプのビジネスバックをおくと、中から黒革のシステム手帳と筆記用具の入ったペンケースを取り出した。


「小陽専用のノートパソコンは栗原さんに言って用意して貰う。後は足りない文房具があれば、秘書室に居る副室長の季実子に言えばいい」


「先ほどから、濱部副社長は、季実子さんと名前をおしゃっていますが、苗字を教えてください」


「淡路季実子だ。髪は黒髪で、ヘアスタイルはボブだ」


俺はジェスチャーを交え、小陽に季実子の特徴を説明した。


小陽は手帳を開いて、俺の説明をメモに取る。



「濱部副社長、私はこれから何をすれば宜しいですか?指示を与えて下さい」


「指示?あ・・・とりあえず、コーヒーでも淹れて貰おうかな」


俺は小陽を給湯室に案内した。


「社長室と副社長室だけには、給湯室がある。業務用のコーヒーマシンがあるから…それで頼む。使い方は分かるか?」


「はい」


「じゃエスプレッソを淹れてくれ。俺はデスクに戻る」


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