ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》

小陽sideー

大学では法学を学び、将来的には政治に携わる仕事に就きたいと考えて、在学中に政務担当秘書の資格試験を受け、合格し、卒業後はお兄様の親友の椎名崇(シイナタカシ)衆議院議員の秘書に就いた。


議員秘書は遣り甲斐のある仕事だけど、ほぼ年中無休で議員に仕える。

疲れ果てて休んでいても、いつ何時呼び出しがかかる分からないので、携帯の電源は常にオン。

男性でも音を上げる仕事だと、訊いていたけど。その通りで、2年目に体調を崩した。


椎名衆議院議員は私の体調を常に気を掛けて、仕事もセーブしてくれた。


それが心苦しくて、退職を申し出た所、思わぬコトを言われた。



『俺と結婚して欲しい』と




彼の曾祖父は私の父が総理時代に法務大臣を務め上げた方。
椎名家は由緒ある華族系の財閥で、横浜に本家を構える名家。


家柄的にも伊集院家とつり合いが取れ、椎名衆議院議員自身、とても優しく、長身でイケメン。

結婚相手としては申し分なかったが、私にはずっと好きな人がいた。

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