ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
私は彼のプロポーズを断るコトも出来ず、返事をしないまま、父を通して退職させて貰った。


父は私に次の就職先も見つけてくれた。それが化粧品国内シェア1位の『星凛堂』


私の想い人、拓真さんが副社長を務める会社。


秘書室長の栗原さんが私のデスクにパソコンを置き、セットアップしてくれた。


「ありがとうございます」


「パソコンと電話さえあれば、秘書の仕事は出来るね」

「はい」

「前副社長秘書の淡路さんは川下部長の秘書になったばかりだから、バタバタしている。落ち着いたら、伊集院さんに副社長の秘書業務の引継ぎお願いしているから、暫くは副社長の指示で仕事をして欲しい」


「承知しました」


「じゃ俺は社長室に帰ります。副社長」


「ああ」


栗原さんは社長室に戻ってしまい、再び二人だけになる。


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