お嬢様と7人の男子


ー数日後



「お!菜月ーー」


そう呼んだのは菜月の双子の兄だった

「……。翔?」




「もう、どこにいたんだよー探したんだぞー」



「キモイから離れてよ」




「双子じゃないかーいいだろう?」




「離れろ、バカ兄貴」




「もう、しょうがないなー。奴隷は奴隷らしくしてないと!」




「……。」




「ね!な・つ・き・♡」





「私、行くから」




「またね、菜月…」


君は一生、僕から逃れられないんだよ菜月







「はぁはぁ…。兄貴から逃れたい…誰か助けて…」









「どうしたんだよ、そんなに息切れして…」




「松坂…」




「今日、予定とかある?」




「別に、無いけど」




「僕のおごりでいいからカフェ行かない?」




ーカフェ




「どうして、急に誘ったの?」




「この前、約束してたし。りりかちゃんと行こうってね。今の状況じゃあ、行けないから桃山を誘ったんだよ」







「あっそ」




「何その薄そうな反応」




「別に、いいでしょ」







「ねぇ、あの日りりかと何があったの?」




「別に君には関係ないし」





「は?どういうことよ…私だってその場にいたんだから」





「まぁ、話すけど。ただ僕は事実を言っただけ。奏の邪魔になるとかしか言ってないけどね」




「は?」





「こっちにも、色々な事情があるんだよ」




「何よそれ…」




「僕の気持ちなんか分かるはずないだろ?」



「もしかして…ハヤテって奏のこと好きなの?」





「まさか、そんな分けないだろ。ただ、僕の元へいればいいんだよ。独占欲って言うやつ」




菜月はホットした




「ホットした?」




「ま、まさか…そんなわけないじゃん」




「ふーん、本当かな?」



「私、帰るから」



ガタッ



椅子から立ち上がった



「お金、置いとく。じゃ、じゃあごちそうさま」




「バレバレだし…奏のどこがいいんだし。意味がわかんない」






みんな、奏のことを最初に好きになる




奏は誰のものにもなって欲しくない




一生、僕のことを聞いてくれればいいだけ



ただそれだけ











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