お嬢様と7人の男子
そんな時に君に何度か救われたよ

私の願いを叶えてくれた

感謝でいっぱいです

約束覚えてる?ちゃんと、私の変わりに幸せにして

あげて

最後に、お母さんに言っといてくれるかな


迷惑ばかりかけてごめんね、最後までありがとう

こんな貧弱な娘を最後まで育ててくれて

ありがとうって

お願いね!

天国で見守ってます

私の分まで長生きして

さようなら





前田くんは彼女の手紙を最後まで読み切った

いつの間にか、涙が溢れていた

グズりと鼻をすすった

そして、彼女から受け取った手紙の中にまだ何か

が残っていた

その中には砂が入ったビンだった

「これは…」


「それは海の砂よ…あの子が大切にしてたものだと思うわ」

きっとあの時、海に行った砂だ

「これ……大切にします」

「そうして、あの子も喜ぶわ」

「娘さんが手紙でこう言っていましたよ。迷惑ばかりかけてごめんね、最後までありがとう。こんな貧弱な娘を最後まで育ててくれて」


「あの子が…そんなことを?」


「はい」


彼女の母は今まで我慢してきたのか声を上げ泣いていた



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