お嬢様と7人の男子


「まぁ、過去にそういうことがあったんだよ」

「せつないね、泣けるよ。辛かったよね」

「お前を見てるとさ、あの人を思い出すよ。なんか似てる」


「そうなの?」


「約束守れないだろうな。俺は今でもあの人が好きだし、愛莉だってお前の執事が好きだから」

リリカは胸が痛くなった

「そうだよね、あいりちゃんずっと要のこと思ってるだもんね」


「お前はさ、どうなの?正直」


「私は…」

本当は少し寂しい

要がいなくなるってことは元の生活に戻るってことだし

要がいたからこそ今があるし

要がいない生活なんて考えられない


「私は、要といたい。要がいるからこそ今の私があるから」


「それが聞きたかったよ」


「え??」

「実はな、要に手を組まないか提案したんだ。あいりと一緒になりたいだろって。まぁ後日断られたよ、お嬢様がいるからってね」


「要がそんなことを…」


「あいりには申し訳ないけどね。俺も決意が固まったことだし、戻るか」


「うん」


りりかの内心はほっとしていた


ブー

ブー

「もしもし?」

「前田くん、あいりの意識が戻った。至急戻ってきたくれ」
「分かりました。今から向かいます」

「申し訳ないんだが、急用が入ってね。今すぐニューヨークに戻らないといけないんだ。すまんあとは頼む」

「了解しました」
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