下宿屋 東風荘
「__分かった。必ず次の者に渡すと約束しよう。世話になった」

そのまま爺さんの意識は薄れていき、天に昇るかのように魂が上にあがっていく。

完全に魂がなくなるまでに掘り出さねばと社の裏に回り、珠を取り出す。
殆どの者は体内に珠を隠しているが、力の弱いものは社の下などに埋めて隠したりもする。

一説には、千年を超えた珠を7つ集めると、仙にも勝る神通力が集まるとも聞くが、そのようなものを狙うのは悪孤位の者だ。
大切にハンカチに包んで懐の奥にしまう。

社の中に戻ると、姿はもうほとんど消えていて、後は見送るだけだ。

持ってきた揚げと、神酒を置き最後まで見届ける。朝焼けとともに完全に空に昇ったのを見て一言。

さようなら__

そう、心の中で呟き見届けてから社を後にする。
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