下宿屋 東風荘
明日、あの子供はこの下宿に決めるだろう。1人が高校卒業だから、一人だけ入れればいいと思っていたが、一部屋空いてしまうと食べ盛りの子供たちに食べさせる肉代に困ってしまう。

ひとまず昼寝をと部屋へ戻り、囲炉裏の前でうたた寝をする。

ピクッ__

「誰か来たねぇ……」

すぐに神社へと行き、気の上から様子を伺う。

こそこそとしてはいるが、こちらからは良く見えている。
社の裏手を彷徨くモノ。
珠を探しているのか、落ち着きが無い。

「何をしておるのじゃ?」

後ろからいきなり声をかけると、ただの悪孤ではあったが、どう見ても使い魔にしか見えない。

「主人はどこぞ?」

「珠はどこだ……」

「さてねぇ?兎に角捕まっておいてもらうよ?私は殺生は嫌いでねぇ。それにここを汚したくもない」

そう言って動けないように術をかけて縛り上げ、木の上に吊るす。

自分の影ならば、妖力で従えるため必ず取り返しに来るはずだ。
< 35 / 91 >

この作品をシェア

pagetop