わたしのいちばんすきなひと。
夜遅くの駅は
あまり人がおらず閑散としていた。
「じゃあ俺ら終電乗って帰るから!」
「わたしたちも!じゃあまた会おうね!」
電車組は改札を通ってホームへ行ってしまった。
この場に残ったのは
わたしと明菜と大下くんと翔くんだった…
「わたし彼氏迎え来てくれるんだ。近くのコンビニで待ち合わせなんだけど…莉子どうする?」
彼氏からの連絡を見ているのだろう、ケータイを触りながら明菜が言ってきた。
「わたし歩いてもそんなに家まで時間かからないし歩いて帰るよ!」
少し酔っていたから風に当たって酔いを覚ましたかった。それになんだか1人で歩いて帰りたい気分だった。
「え、でも暗いし…」
確かに外は暗いが
家までは街灯もあるしなんとかなるだろう。