イケメン双子と、もれなく『腐』の付く残念女子と。
だが残念なことに、自分が異性に対しとても魅力を持った外見を有していることに、碧羽は頓着していなかったのである。
そんな隙だらけの危なっかしい彼女を、凜と漸は付きっ切りで守り抜いた。と、ここまでは良かったのだが……
碧羽が心配なあまり、双子は周りが見えていなかったのである。
凜と漸も抜きん出た魅力の持ち主である。
前述にも記したように、双子は類まれなる美少年だ。ハンパではなく女子にモテる。
なんとかして双子の気を惹こうと、女子たちはあの手この手で奮闘する。
だが双子たちは、それに応えることはなかった。碧羽の警護に忙しかったのだ。よそ見などしている暇はない。
それがいけなかった。徐々に碧羽は女子たちに遠巻きにされるようになる。
はじめは心無い噂から、それがだんだんとエスカレートし、陰口や大っぴらな中傷罵倒、最終的に碧羽は女子全員からハブられることとなった。
これには双子も困り果てた。女子たちのすることなので、男である自分たちがきつく諌めることもできない。
しかも、この結果を招いたのは、他でもない自分たちの行動がもとなのだ。
良かれと思ってやっていたことで、結果碧羽を孤独にさせてしまった。女子たちの輪から浮かせることになったのだ。