イケメン双子と、もれなく『腐』の付く残念女子と。
「あのね碧羽。僕たち、もう碧羽とは遊べないんだ。僕らもうすぐ中等部にあがるだろ? いつまでも女の子とツルんでられないの……ごめんね?」
「どうして? どうして中等部になると、女の子といたらダメなの?」
「それは……だ、おまえは女で俺たちは男だからだ。いつまでも女とツルんでたんじゃ、恥ずかしいんだよ」
恥ずかしい――碧羽の顔色が変わる。
漸から紡がれた科白は、堅固な神経の持ち主である碧羽にも、多大なダメージを与えた。
「わたしといたら……恥ずかしいの? 凛と漸は、わたしのことがきらいになったの?」
「そうじゃない……けど、でも僕らは碧羽とはいっしょにはいられない」
「これからは、俺たちとじゃなく、クラスの女たちと遊べよ。碧羽も女とツルむほうが楽しいぞ」
碧羽のつぶらな瞳に、みるみるとトパーズの雫が溢れる。今にも零れそうな、涙を湛えた双眸を悲しみに歪め、碧羽はふたりに畳み掛ける。
「わたし、女の子となんて遊びたくないわ! わたしは凜と漸以外の子となんて、一緒にいても楽しくなんかないもの。ふたりじゃなきゃヤダ!!」