イケメン双子と、もれなく『腐』の付く残念女子と。

「じゃあ……僕たちがいなくなっても、碧羽が男に言いよられなくなっちゃえばいいんだよ」

「? どうやって?」

「見た目を変えればいい。だれも、おまえのことなど、見向きもしなくなればいいんだ」

「そんなことできるの?」

「「ああ! まかせとけッ!!」」

 ふたりは力強く言い切り、碧羽に向けサムズアップする。

 凛が行動に移す。予め用意しておいたアイテムを、クローゼットのなかから取り出す。漸は碧羽に、これからのことを説明する。

「いいか、よく聞けよ? これから毎日、碧羽はコレを身につけて過ごすんだ。ぜったいに外すなよ、いいな?」

「……何コレ。変だよ」

「だからいいんだ。コレつけときゃ、ぜってー男はよってこねえから」

「…………」

 碧羽は、漸が「コレ」と称するモノを見やり、すこぶる微妙な面持ちになる。対する凜と漸は、ともに顔を突き合わせ、ニヤリとする。

 コレ――凜がクローゼットから取り出し、漸がコレと称する物体。実は『コレ』こそが、類まれなる美少女である碧羽を、現在の姿へと成り下げたのである。

 凜が用意したアイテム。それは―――
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