無理すんなよ。


◇◆◇



「琴、最近よく笑うようになったよね」



帰り道。まだ日が高くて熱い道のりを、遥とふたりで歩く。



遥は人気者だから隣にいる私にまで視線が向くことはあるけど、なるべく気にしないようにしてる。



だって、私は姉弟なんだから。一緒にいることは別に悪いことじゃないんだから。




「え?そう、かな……?」



「うん、絶対そうだよ!やっぱり浩都と麻莉奈ちゃんのおかげ?」



1番そばで見てくれてる遥に言われると、自分で思ってるよりもドキッとしてしまう。



私、少しは変われてるのかな。桜庭くんや麻莉奈に出会って、少しは前に進めてる?




「まぁ、そうかな」



確かに周りの視線は気になるけど、4人でいるときはそんなものも感じない。



それくらい眩しくて、明るくて。とても充実してると言い切れる。

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