大好きなきみへ、あの約束をもう一度
「そ、そーだな。んじゃ、文子、尚先輩行きますよ!」
「ふふっ、こういうの、夢だったんです。みんなでお出かけなんて……夢見たい。ぜひ、行きましょう!」
海斗の言葉に、文子はウキウキしながら先頭を歩く。
そんな文子の背中を見つめて、私と海斗は顔を見合わすと、クスッと笑うのだった。
***
ファミレスにやってきた私たちは、4人掛けの席に案内された。
私は文子と横に並んで座り、海斗たちは向かいの席に座る。
「急に呼び出して悪かったな、みんな」
私の真正面に座った海斗が、頭に手を当ててそう言った。
確かに、急だったよね。
でも、まさか尚先輩まで呼ぶとは……。
2人とも、いつの間に連絡先を交換してたんだろ、私でさえ知らないのに……。
「いーや?俺は大歓迎だよ!高校生活最後の夏休みだからねぇ、何かパーッとやりたいな」
「そうっすよね!何やります?」
「うーん、女の子たちはどうかな?」
尚先輩が私と文子に問い掛けてくる。
私と文子は同時に「うーん」と、唸った。
なんせ、この手の誘いは久しぶりなんだ。
多分、文子も一緒なんだと思う。