大好きなきみへ、あの約束をもう一度



「うん、ちゃんと仲直りできたよ」


『っしゃ!良かったな、本当に!』



海斗が喜んでくれてる。

ふふっ、報告出来て良かったな。



「ううん、海斗のおかげだよ……だから、本当にありがとうって、伝えたかったの」


『マジで良かった……本当に、よく頑張ったな、湊』


「……っ、うんっ!」


あぁ、海斗の優しさが染みる。

それに涙がジワリと滲んできて、声が震えた。


『……なぁ湊、今すぐ湊に会いてーんだけど』

「……へ?今、23時だよ!?」

『……だって、今すぐ湊のこと抱き締めて、いっぱい褒めてやりてーの』


海斗……ほ、本気で言ってるの??


「わ、私は良いけど……」


海斗は、大変なんじゃ……。

そういえば、海斗の家ってどこにあるんだろう。

私、彼氏の家がどこなのか知らなかったな。


『うし!なら待ってろ、すっ飛んで湊んとこいくから』


「え、海……」


――ブツンッ。


私の言葉は、海斗には届かなかった。

そんなに慌てて切らなくても……。



「ふふっ」


でもなんでかな。

私のために必死になってくれることが嬉しいや。



私は微笑みながら、さっきまで私と海斗を繋いでくれたスマートフォンを胸に抱いた。

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