大好きなきみへ、あの約束をもう一度



『湊、私は湊が嫌いになったから消えたんじゃないよ』


「早織……」


『幻の私が、ずっと湊の傍にいれば、今度も私のせいで……心と体を壊しちゃう』



それは……幻覚や過去のトラウマに頭痛を起こしたり、意識を失って倒れたりしてたことを言ってるんだろう。



『だから、私が湊の前から消えるのは、必然』


「え……?」


『だって、大事な親友を傷つける存在には、なりたくないからね』


「っ……馬鹿言わないで、早織がいてくれなかったら、私は早織を失った時点で壊れてた!」



そんな早織が、私を傷つけるだなんて思わない。

たとえそうだったとしても、傍にいて欲しいと思ったのは……。


早織のことが、大好きで大切だったから。


『うん、それでも……。湊が私を忘れて、もっと未来を見て欲しかった。もう、私に捕らわれてほしくなかった』


「っ……本当に、馬鹿だな、早織……っ」



私は、捕らわれたなんて思ってないよ。

早織のことも忘れるつもりなんて無い。


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