大好きなきみへ、あの約束をもう一度


『湊、戻ってよ!!こんなことしても意味無い!!湊が危ないだけっ!!』


「私には意味があることなの!!ねぇ、早織……早織のこと、大好きだよ!」


言ってて泣きそうになる。

もうこの世にいなくても、早織はが大好きなんだ。

誰にも見えなくても、私は早織を否定しない。


「ずっと傍にいてくれて、本当にありがとうっ」

『湊……っ』

「早織は、あたしの大切な親友だよっ」


そう言って振り返れば、早織は泣きそうな顔で、私を追いかけていた。


『湊っ……あっ……』


――ジャボンッ!!

何かを言いかけた早織が、水に足を取られたのか、川の中へと姿を消す。


嘘っ、早織!?

まさか、あの日みたいに溺れたの!?


「早織!!」

「湊、やめろ!!」


そんな海斗の叫びが聞こえた気がした。

それでも、私は迷わずに川の中へと飛び込む。


――バシャンッ!!


っ……早織っ、どこなの??

目を開けると、ブクブクブクと水泡が沸いていて、視界が悪かった。

早織を見つけなきゃいけないのにっ。

もう、あんな後悔は嫌なんだ!!


――パァァァァッ。


そう思った瞬間、光が瞬く。

これも、私の幻覚が見せた光なのかな……。

だけど、この光の先に、早織がいる気がする。


不思議な予感に、私は必死に手を伸ばした。


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