大好きなきみへ、あの約束をもう一度



『ふふっ、湊は自分の魅力に気づいてないよ』


私の魅力??

そんなの、分かんないって。

自分のことなんて全然分からなくて……。

でも、みんなが私を優しい人、強い人だって言ってくれる度に自分が好きになれた。

そして、海斗が私を好きだっと言ってくれたから。

早織を救えなかった私が、自分を認められたのはみんなのおかげなんだ。



『湊は、優しく静かに見守る……月の光みたいだった。私は湊がいたから、前向きでいられたし、辛いことも悲しいことも乗り越えられたんだ』



早織……。

早織が太陽なら私は月……か。

それなら、私達は背中合わせだね。


決して月と太陽が同時に空に浮かぶことは無いけれど……。

私と早織はいつでも傍にいて、支えあってる。

早織は世界中を光で照らして、みんなに希望を与えて、私は暗い夜道をそっと照らすように優しく寄り添って。



それぞれが長所を持ってて、お互いが短所を補う……。

人って、そういうものなんだね。

完璧な人なんていないから、こうして誰かと支えあって生きてたんだ。



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