大好きなきみへ、あの約束をもう一度
『でも、海斗から直接聞いたわけじゃないでしょ?』
それは……確かにそうだけど。
でも、気に入られるきっかけも良く分からない。
なのに付きまとってきて……。
本当に、海斗は私を大切だと思ってるのかな。
だとしたら、私のせいで不快な想いをさせてしまった。
「なぁ湊、俺が止めなかったら、尚先輩に送られてたのか?」
「……え??」
なんで今、尚先輩の話……??
不思議に思って隣の海斗を見上げれば、海斗は前を向いたままだった。
「やっぱり湊は、尚先輩には優しいっつーか。なにかと世話焼いてんじゃん?」
「……え、そうかな?でもあの人、1人じゃ生きていけないタイプだし」
窓から人間観察してたらメガネを落とすとか、傘がパクられても自分の傘じゃないと嫌だとか……。
うまく生きられないタイプだ。
なにかと世話がかかるし、なにより、そんな尚先輩を助けたいと思うのは……。
「尚先輩は、私の大切なモノを初めて認めてくれた人だから」
早織のこと、見えてないのに、疑わず認めてくれた。
そんな人に今まで出会ったことがなかったから……嬉しくて。
純粋に、素直に私の言葉を信じてくれたから、ほっておけないんだ。