大好きなきみへ、あの約束をもう一度



「つか、ホームルーム終わって、お前すぐにいなくなっちまうから、声かけそびれたろ」


「うん?」




私に声をかけようと思ってたのかな。

あ、もしかして体育で借りたジャージのこと?

それなら、洗って返すつもりだったんだけど……。



「ジャージなら、洗って返すから」


「ん?ジャージ??いや、そういえば湊に貸してたな……って、別に、そのままでいいぞ」




いやいや、借りといてそのままっていうのは……。

なんとなく、お礼の気持ちも兼ねて、こういうのはちゃんとしたい。



「ううん、私がそうしたいから」


「そうか?なら、ありがとな……つか、湊って律儀だな!」


カラッと笑う海斗に、よく笑う人だなと思う。



なんというか……感情が顔に出て分かりやすい。

誰かに心許すみたいで、認めたくないけど……正直、裏がなくて安心する。




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