大好きなきみへ、あの約束をもう一度
「湊、あのさ」
「うん?」
「なんか……その、嫌な夢でも見てたか?」
唐突な海斗の質問に目を見開く。
海斗はどこか気まずそうな、それでいて心配そうに私を見つめていた。
思いあたる節がなかった私は……。
「え、どうして??」
今の私は、間抜けなくらいキョトンとしてると思う。
そんな私にホッとしたのか、海斗は笑みを浮かべて私の頬から手を離した。
「いや、泣いてたからさ……」
「あぁ……」
私、泣いてたんだ……。
それならきっと、さっきの早織との会話を引きずってたのかも。
学校で泣くとか、気が抜けすぎだ、私。
「本……のせいかな」
誤魔化すように本を見せると、海斗はそれを私から受け取って、ペラペラと中身を見る。