大好きなきみへ、あの約束をもう一度



「いーや、楽しいね、胸張って言えるね。湊って、俺のツボにいちいち入ってくんだぞ」



そんな、自信持て!みたいに言われても……。

よく分からないけど、海斗がいいならそれでもいっか。



「分かった、なら昼休みに図書室ね」


「図書室?へぇ、昼休み姿みかけねぇなと思ったら、湊ってここで飯食ってたのか」


だって、教室は居心地悪いし……。

だから、静かな場所を探して、たどりついたのがここだった。



「よっしゃ、なら約束な!」


「え、なにこれ」


ニカッと笑って小指を差し出す海斗に首を傾げる。

まさか、まさかとは思うけど……指切りげんまんするつもり?



「なにって、指切りに決まってんだろ?」


そのまさかだった……。

ちょっと、海斗……小学生じゃあるまいし。



「そんな事しなくても、約束は守るよ」


「あのなぁ、こういうのもスキンシップの一つだぞ。俺と湊がもっと仲良くなるためのな」


「は、はぁ……」



そういう、もんなのかなぁ?

あまりにも力説するから、私は折れてその小指に自分のを絡めた。


「ゆーびきーりげんまん」


海斗って、こういう所子供っぽいんだ。

なんていうか、いつもはカッコイイ、何でもできるクラスの人気者って感じなのに……。



「うーそついたら針千本のーます、指切った!」

「ふふっ、指切った」



なんだか、可愛いだなんて……思ってしまった。

って私、なんて恥ずかしいことを考えてるんだか。



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