大好きなきみへ、あの約束をもう一度



午前中の授業が終わり、やってきた昼休み。

私は、いつものようにお弁当を手に図書室へと向かっていた。


『クラスでもっとみんなに話しかけたらいいのに!』


「それ、今更だと思うけど」


『お弁当だって、クラスの友達と食べなよ!』


だって……私はみんなから変人扱いされて、遠目にヒソヒソ言われてるんだよ?


そんな居心地の悪い中でご飯なんか食べれない。

美味しいものもまずくなるし。



「私の友達なんて、早織だけだし」


『ま、まぁ……それはそうだけど……。私とばっか話してたら、なおさら友達作れないよ?』


――ズキンッ。

早織とばっかりか……。

でも私は、早織と話せるだけで嬉しい。

泣きたくなるくらい、心から嬉しい。

だって、こうして会話することは、もう叶わないと思ってたから。



「私は、早織だけでいいの」

『湊……』


そう、早織がいてくれればそれで。

それだけで、十分なんだよ。



そんなことを考えながら廊下を歩いていると……。


――ドンッ!!


前からやってきた男子軍団の一部と衝突してしまった。

たぶん、購買からクラスへ戻って来た途中だったんだろう、手には袋が握られている。



「あ、ごめん……って、真木じゃん」



ぶつかってきたのは、同じクラスの男子だった。

その隣には高橋 海斗の姿もある。



うちのクラスでは一番うるさいグループの男子たち。


ぶつかるとか、最悪すぎる……。

しかも、ぶつかっといて真木じゃんって言うのも失礼!


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