エリート外科医の一途な求愛
「合コンでは、お酒の力もあって、あなたみたいな美人と約束できることに舞い上がってましたが、その後あの時のメンバーからも忠告されまして!」

「忠告?」

「身の程をわきまえろ。散々貢いだ挙句、足蹴にされて捨てられるぞって」

「……」


言うのも恥、と言うように、終始身体を震わせ、私の顔を正面から見ることもなくそう言った彼に、私もただ絶句した。


酷い言い草だ、と思いはしても、それに対してなんて言い返していいかわからない。


「すみません! すみません! か、勘弁してください……!」


私の返事を一言も聞かず、ただ一方的に謝るだけ謝ると、彼はクルッと私に背を向け、来た時のままの勢いでバーから出て行ってしまった。


後に残された私にはなんだか興味本位な意地悪な視線を感じるけれど、私はカウンターに向き直りはあっと大きな息を吐いた。


つまり、なんだ。
私はたった一度のデートもしないまま、振られてしまったということ。
しかも全く理解不能な理由で。


一瞬へこんで、すぐに怒りが込み上げた。
二杯目の生ビールのジョッキをグッと煽って空にすると、カウンターに打ち付けるようにして置いた。
その向こうのバーテンさんに、「お代わり」と一言だけ告げる。
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