エリート外科医の一途な求愛
「も、もう。何言ってんですか。別に優先なんかしてないし、毎年手伝ってるのに今年だけ断れないじゃないですか!」
ポッと赤くなってしまった頬を隠そうと顔を背けて、私はわざと素っ気なく言い捨てた。
「なあ、葉月。いっそ医局秘書辞めて、俺の個人秘書にならない? レイとメグみたいに」
「だから、バカなこと言わないでください」
半分本気で呆れながら、身体にまとわりつく各務先生の腕を解く。
そして、やっとのことでしっかり立ち上がった。
振り返って軽く腕組みをしながら、ほんのちょっと強い目で彼を睨む。
そんな私を見上げながら、各務先生は苦笑した。
「俺に暴走させたくなければ、二人でいる時くらい甘やかせよ」
「え?」
「名前で呼んで。……この間は、何度も呼んでくれただろ」
探るような上目遣いの視線に、思わずドキッとしてしまう。
嫌でも思い出してしまう、先週の夜。
私は確かに、何度も彼を名前で呼んだ。
この腕に抱かれて、肌を重ねながら、声が枯れるくらい、何度も。
こんな真昼間の医局でまさにその記憶が蘇ってきて、私の顔は更にカアッと赤くなってしまう。
その変化の一部始終を見ていた各務先生が、小さくブッと噴き出して笑った。
ポッと赤くなってしまった頬を隠そうと顔を背けて、私はわざと素っ気なく言い捨てた。
「なあ、葉月。いっそ医局秘書辞めて、俺の個人秘書にならない? レイとメグみたいに」
「だから、バカなこと言わないでください」
半分本気で呆れながら、身体にまとわりつく各務先生の腕を解く。
そして、やっとのことでしっかり立ち上がった。
振り返って軽く腕組みをしながら、ほんのちょっと強い目で彼を睨む。
そんな私を見上げながら、各務先生は苦笑した。
「俺に暴走させたくなければ、二人でいる時くらい甘やかせよ」
「え?」
「名前で呼んで。……この間は、何度も呼んでくれただろ」
探るような上目遣いの視線に、思わずドキッとしてしまう。
嫌でも思い出してしまう、先週の夜。
私は確かに、何度も彼を名前で呼んだ。
この腕に抱かれて、肌を重ねながら、声が枯れるくらい、何度も。
こんな真昼間の医局でまさにその記憶が蘇ってきて、私の顔は更にカアッと赤くなってしまう。
その変化の一部始終を見ていた各務先生が、小さくブッと噴き出して笑った。