エリート外科医の一途な求愛
シャワーを浴びてバスルームから出てきた各務先生が、キッチンに入って行った。
そこから、『え?』と聞き返す声が聞こえてくる。
先生のマンションの広いリビングで、スタイリッシュな黒いレザー貼りのソファの上で膝を抱えて座りながら、私はキュッと唇を噛み締めた。
「私のこと……最低な女って思わないんですか」
聞き返されたとは言え、二度繰り返すと、言った自分でもズーンと気分が重くなる。
昼間、この部屋の鍵を渡されてから、ずっと燻っていた自己嫌悪。
そこから派生した罪悪感が、胸の中にジワーッと広がっていく。
身を縮める私の背後で、フローリングの床をミシッと踏み締める音が聞こえた。
そっと目線を動かすと、緩く太いラインのパンツの裾と、彼の裸足の爪先が視界に映り込んだ。
「ん」
短い声と同時に、カランという音が耳に届く。
そっと目を上げると、指先で縁を摘むように持っていた長いグラスを、各務先生が私に差し出していた。
シュワシュワと炭酸が弾ける音。
透き通った金色の液体の中に、氷が三つ浮かんでいる。
「モスコミュール」
なんだろう?と思ったのを見透かしたのか、彼は私にそう答えた。
反射的にお礼を言いながら受け取って、私は初めてしっかりと各務先生の姿を見上げる。
そして、ドキンと胸を大きく鳴らしながら、慌てて顔を背けた。
そこから、『え?』と聞き返す声が聞こえてくる。
先生のマンションの広いリビングで、スタイリッシュな黒いレザー貼りのソファの上で膝を抱えて座りながら、私はキュッと唇を噛み締めた。
「私のこと……最低な女って思わないんですか」
聞き返されたとは言え、二度繰り返すと、言った自分でもズーンと気分が重くなる。
昼間、この部屋の鍵を渡されてから、ずっと燻っていた自己嫌悪。
そこから派生した罪悪感が、胸の中にジワーッと広がっていく。
身を縮める私の背後で、フローリングの床をミシッと踏み締める音が聞こえた。
そっと目線を動かすと、緩く太いラインのパンツの裾と、彼の裸足の爪先が視界に映り込んだ。
「ん」
短い声と同時に、カランという音が耳に届く。
そっと目を上げると、指先で縁を摘むように持っていた長いグラスを、各務先生が私に差し出していた。
シュワシュワと炭酸が弾ける音。
透き通った金色の液体の中に、氷が三つ浮かんでいる。
「モスコミュール」
なんだろう?と思ったのを見透かしたのか、彼は私にそう答えた。
反射的にお礼を言いながら受け取って、私は初めてしっかりと各務先生の姿を見上げる。
そして、ドキンと胸を大きく鳴らしながら、慌てて顔を背けた。