エリート外科医の一途な求愛
私は黙って目を伏せ、手元に視線を落とす。
「葉月。俺のこと、まだ信用出来ない?」
横から探るように問い掛けられ、私はピクッと手を震わせた。
一瞬返事に迷ってから、小さく首を横に振る。
「いいえ。だって先生、本当にみんなに囲まれないようにしてるの、わかります。それが、私の為だってことも」
「じゃあ、やっぱり俺のこと好きじゃないとか?」
質問を畳み掛けられて、私はキュッと唇を噛んだ。
『好きじゃない』は間違ってる。
私、なんとも思わない人に、こんなにドキドキしたりしない。
どうでもいい人を気にしたりしない。
彼は付け込んだって言うけど。あの時はお酒のせいにしたけど。
彼の前で隙を見せたのは私だ。
「……好き、なんだと思います」
緊張しながら呟く私を、各務先生はどこか訝しそうに見つめている。
言葉とは裏腹な感情を、敏感に感じ取ったからだろう。
「それじゃあ、何? 俺はまだ、君が堕ち切れないくらい、不安にさせてる?」
各務先生の方からそう言われて、私はそっと目を上げた。
その言葉が妙にしっくり来る。
好きだと思うのに、私は各務先生に恋に落ちることを躊躇している。
そしてその理由が自分でもよくわからない。
「葉月。俺のこと、まだ信用出来ない?」
横から探るように問い掛けられ、私はピクッと手を震わせた。
一瞬返事に迷ってから、小さく首を横に振る。
「いいえ。だって先生、本当にみんなに囲まれないようにしてるの、わかります。それが、私の為だってことも」
「じゃあ、やっぱり俺のこと好きじゃないとか?」
質問を畳み掛けられて、私はキュッと唇を噛んだ。
『好きじゃない』は間違ってる。
私、なんとも思わない人に、こんなにドキドキしたりしない。
どうでもいい人を気にしたりしない。
彼は付け込んだって言うけど。あの時はお酒のせいにしたけど。
彼の前で隙を見せたのは私だ。
「……好き、なんだと思います」
緊張しながら呟く私を、各務先生はどこか訝しそうに見つめている。
言葉とは裏腹な感情を、敏感に感じ取ったからだろう。
「それじゃあ、何? 俺はまだ、君が堕ち切れないくらい、不安にさせてる?」
各務先生の方からそう言われて、私はそっと目を上げた。
その言葉が妙にしっくり来る。
好きだと思うのに、私は各務先生に恋に落ちることを躊躇している。
そしてその理由が自分でもよくわからない。