エリート外科医の一途な求愛
そんなすごい一言をサラッと言われて、私の胸の鼓動が一際大きな音を立てた。
それは、各務先生にもしっかり伝わってしまったようだ。


「君の胸、期待した音立ててるね」

「そんな音、立ててない!」

「照れない照れない。ほら、いいから何度も宣言した通り、俺にちゃんと証明させろ」


どこか歌うような楽しげな声に、私は思わずビクッと震えた。


『不安なんか感じないくらい、四六時中愛してやるから』


最初にドキッとさせられたその言葉が、私の脳裏を駆け巡る。
私をお姫様抱っこした各務先生が向かうのは、ゆったりしたダブルベッドがある寝室だと知っている。
彼の言う『証明』を想像すると、甘過ぎる予感が怖くなる。
けれど……。


それで、私の胸に蔓延っている意味のわからない不安を掻き消してもらえるのなら。
いっそ、堕ちてしまった方が、楽になれるのかもしれない。


そんな気分で、私は各務先生の首に回した腕に力を込めた。
その耳元に、『颯斗』と小さく呼び掛ける。
彼の身体が、一瞬小さく震えたのを感じた。


「土壇場でやっとデレるのか、君は。厄介な女だな……」


ボヤくような声は無視する。
私はドキドキしながら、ギュッと目を閉じた。
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