エリート外科医の一途な求愛
教授室から出たら、木山先生は大学図書館にでも行ったのか、医局内はもぬけの殻だった。
一人っきりでホッとしたのか、それとも木山先生でもいいからそこに誰かいて欲しかったのか、自分でもよくわからない。
教授から話を聞き出した後、私は誰も周りにいないのもいいことに、午前中ほとんど仕事に集中出来ず、ぼんやりしながら過ごした。
キーボードの上にのせたまま、動かしてるつもりはないのに、指先がカタカタと震えている。
各務先生のことを好きだと思いながら、会えない日が続くだけで、不安ばかりが募った理由がわかった。
会えないのがそのまま日常に変わり、やがて私のそばからいなくなる。
そんな予感が消えなかったからだ。
どんなに手が届く距離にいても、彼は本当は私のそばにいていい人じゃない。
私の手から擦り抜けていっても、信じ続けることが出来る強い女になれなきゃ、私は彼と恋を出来ない。
信じられなかったのは、各務先生の心じゃない。
私は、私が信じられない。
木山先生が言う通り、各務先生はこのまま日本に留まっていてはいけない。
悔しいけれど、木山先生の忠言は正しい。
わかってるけど……。
私は、どうしたらいいんだろう。
一人っきりでホッとしたのか、それとも木山先生でもいいからそこに誰かいて欲しかったのか、自分でもよくわからない。
教授から話を聞き出した後、私は誰も周りにいないのもいいことに、午前中ほとんど仕事に集中出来ず、ぼんやりしながら過ごした。
キーボードの上にのせたまま、動かしてるつもりはないのに、指先がカタカタと震えている。
各務先生のことを好きだと思いながら、会えない日が続くだけで、不安ばかりが募った理由がわかった。
会えないのがそのまま日常に変わり、やがて私のそばからいなくなる。
そんな予感が消えなかったからだ。
どんなに手が届く距離にいても、彼は本当は私のそばにいていい人じゃない。
私の手から擦り抜けていっても、信じ続けることが出来る強い女になれなきゃ、私は彼と恋を出来ない。
信じられなかったのは、各務先生の心じゃない。
私は、私が信じられない。
木山先生が言う通り、各務先生はこのまま日本に留まっていてはいけない。
悔しいけれど、木山先生の忠言は正しい。
わかってるけど……。
私は、どうしたらいいんだろう。