エリート外科医の一途な求愛
「いいえ。是非そう思っていてください。ですが、今の各務先生に対するお言葉、口が過ぎます。患者さんや医局員を常に気に掛けることは、医師としても医局の准教授としても、立派だと思います。媚びてるなんて、言い方酷いです」
真っすぐ背筋を伸ばし、木山先生を真正面から見上げながらそう言い切った。
木山先生は、更に不機嫌に顔を歪める。
「え、え~と……木山先生も、仁科さんもその辺にしておきましょう。先生、お忙しいところお話ありがとうございました。我々、まだ撮影を続けますので……」
結局高瀬さんが私と木山先生の間に割って入ってくれた。
言ってることは間違ってないと思っても、私も少し興奮しかけていたことは否定しない。
だから仲裁をありがたく受け入れて、高瀬さんに肩を押されるがまま、先に足を踏み出そうとした。
肝心の各務先生は、背後での険悪なやり取りには全く気付かず、さっさと東側の4A病棟のナースステーションに向かっている。
カメラマンは、こっちを気にしながらも、各務先生の後を追っていた。
「人気があるのはいいことだ。ナンパなイケメンってだけだけどね」
まだ背を追ってくる木山先生の言葉に、私の神経が逆撫でされて、思わず立ち止まってしまう。
真っすぐ背筋を伸ばし、木山先生を真正面から見上げながらそう言い切った。
木山先生は、更に不機嫌に顔を歪める。
「え、え~と……木山先生も、仁科さんもその辺にしておきましょう。先生、お忙しいところお話ありがとうございました。我々、まだ撮影を続けますので……」
結局高瀬さんが私と木山先生の間に割って入ってくれた。
言ってることは間違ってないと思っても、私も少し興奮しかけていたことは否定しない。
だから仲裁をありがたく受け入れて、高瀬さんに肩を押されるがまま、先に足を踏み出そうとした。
肝心の各務先生は、背後での険悪なやり取りには全く気付かず、さっさと東側の4A病棟のナースステーションに向かっている。
カメラマンは、こっちを気にしながらも、各務先生の後を追っていた。
「人気があるのはいいことだ。ナンパなイケメンってだけだけどね」
まだ背を追ってくる木山先生の言葉に、私の神経が逆撫でされて、思わず立ち止まってしまう。