エリート外科医の一途な求愛
医局で研修医に囲まれている姿とそう変わりはない。
ただ、あれは……。
「ほ~ら、見ろ。ナースはみんな『女』の目だ。あれのどこが媚びてないって言うんだ?」
確かに木山先生の言う通り。
各務先生を囲むナースは、みんな明らかに『女』を前面に出して近寄ってきている。
各務先生も、どういう見られ方をしてるか気づかないわけないと思うのに、医局の時と同じようにフランクに受け答えている。
高瀬さんが、はは、と苦笑いした。
「まあ……確かに医者と言うよりは、モテ男が囲まれる図、にも見えるけどね……」
それを聞いて、私のこめかみにピクッと青筋が立った。
医局のため、と思って、講師の木山先生に立てついた私の立場は。
『媚びてる』も『口説いてる』も言葉としておかしいとは思うけれど、彼が返す笑顔は確かに『無意識に勘違いさせる』要素があるのは認めざるを得ない。
あれのどこが過剰じゃないんだと問われたら、私も胸を張って『NO』とは言えない。
「どうだい? 僕の言うことも間違ってないだろう? 医局秘書の君だけは、各務先生にコロッと流されてほしくないね。仁科さん」
わざわざ後を追ってきて、木山先生が私の肩をポンと叩いた。
それにはムッとしたけれど、私は敢えてニッコリと微笑んだ。
ただ、あれは……。
「ほ~ら、見ろ。ナースはみんな『女』の目だ。あれのどこが媚びてないって言うんだ?」
確かに木山先生の言う通り。
各務先生を囲むナースは、みんな明らかに『女』を前面に出して近寄ってきている。
各務先生も、どういう見られ方をしてるか気づかないわけないと思うのに、医局の時と同じようにフランクに受け答えている。
高瀬さんが、はは、と苦笑いした。
「まあ……確かに医者と言うよりは、モテ男が囲まれる図、にも見えるけどね……」
それを聞いて、私のこめかみにピクッと青筋が立った。
医局のため、と思って、講師の木山先生に立てついた私の立場は。
『媚びてる』も『口説いてる』も言葉としておかしいとは思うけれど、彼が返す笑顔は確かに『無意識に勘違いさせる』要素があるのは認めざるを得ない。
あれのどこが過剰じゃないんだと問われたら、私も胸を張って『NO』とは言えない。
「どうだい? 僕の言うことも間違ってないだろう? 医局秘書の君だけは、各務先生にコロッと流されてほしくないね。仁科さん」
わざわざ後を追ってきて、木山先生が私の肩をポンと叩いた。
それにはムッとしたけれど、私は敢えてニッコリと微笑んだ。