暗黒王子と危ない夜
扉付近に座っていたメンバーが一斉に周りを取り囲んだかと思えば、他のメンバーたちも次々にお箸を置いて立ち上がり始めた。
「いいよ座ってな。荷物もへーき」
三成くんとあたしの座る席までくると、中島くんは持っていた袋をどさっとおろした。
中を見て驚く。
コーラの1.5リットルペットボトルが、7本。
「お前、またそんなに飲むのか」
「ストック貯めとかないとね、すぐ無くなるから」
「んな量がすぐ無くなってたまるかよ」
「ははっ。それより本多は?」
あたしの隣に腰をおろした中島くん。おしぼりを取り出しながらそう尋ねる。
「あー…2階にいる。黒蘭の女と一緒だ」
「──、え、まじ? 椎葉、よく倉庫に入れたな」
「しょうがねぇだろ。本多に、エナが来たときは拒むなって言われてんだから」
……考えないようにしているのに。
ずきずき、心の奥がえぐられる。
まだ頭の中の整理ができていない。
エナさんは、本多くんの──。