シークレット
「それより妃菜、疲れてるんじゃない?」
「あーわかるわ。何か眠たそう」
「さては寝不足か」
「お前まだ遊んでんのか?」
程よくお酒が回ってきたのか、二人がいつもより饒舌になって私を責めてくる。
けれど間違ってないから言い返すのもできなくて、ずっと聞き流しているとカランとお店のドアが開いて、一組のカップルが入ってきた。
視線を二人に戻そうとすると相手の男の人と目が合って、あっ、と声が出た。
すぐに口をつぐんて会釈すると、向こうも気が付いたのか、会釈を返してきた。ハンサムなスマイル付きで。
野崎 俊。まさかの彼女持ちか。