特進科女子と普通科男子
「ーーありがとう、由李……すっきりした」
泣き腫らした猫目は赤く晴れていて。
けれど、確かにすっきりした顔をしていた。
「これから、どうするの?」
「ん……諦めるよ。せっかく戻れたんだもん。また、あの時みたいな想いしたくない」
「……本当に、嫌いなのかな」
「え?」
「私には、そうは思えないよ。本当に嫌いなら、元通りになんてなれるはずないもん」
「……由李、いいの。慰めてくれてありがとう、だけどーー」
「違うよ!そうじゃなくて、」
「ーーやめて」
「っ、」
「……ありがとう由李。でも、もういいの。あいつには、彼女いるんだよ」
……私、馬鹿だ。
憶測でものを言った自覚はあった。それが、さらに彼女を傷付けることになった。
「あいつの彼女、毎回、面白いくらいに私と正反対の……綺麗な人達ばかりなの」
「笑えるでしょ?」と言った彼女が、痛みを堪えるように笑顔を作る。
また、この顔……
( 全然、笑えてないよ。宮ちゃん…… )