イジワル上司に甘く捕獲されました
バレンタインデー当日。

真央と二人で何度もチョコレートを選びに行ったけれど。

迷いに迷ってしまって、結局、前日の夜にハート形のケーキを焼くことにした。

手作りするなら最初からあんなに見に行く必要なかったね、とお互いに笑いあって。

生クリームで、息を呑みながらデコレーションをする。

二人でお互いの出来ばえを確かめあって。

一人で夜中に作っていると心が折れそうになっちゃうんだけど、二人だと楽しい、と真央は嬉しそうに笑っていて。

私も嬉しくなって、二人で笑いあった。

私は潤さんの分を、真央は翔くんの分を焼いた。

珍しく明日、真央は仕事が休みらしく、翔くんの仕事終わりに会うと嬉しそうに話していた。

私はさすがに会社には持っていけないので、帰宅したら渡せるように冷蔵庫に保管することにした。

……スポンジが固くなってしまうのではないかと心配だけど……。

プレゼントは何回か潤さんに欲しいものを尋ねたけれど、これといった回答はもらえず。

サプライズとかできる技量も経験値も持ち合わせていないし。

……欲しいものを自分で買っていたり、大抵のものは持っている男性は難しいなぁと痛感しつつ。

ペアのキーチェーンを翔くんと二人で買いに行くと決めていて、プレゼント選びに迷う必要がない真央を羨ましく思いながら。

真央にお願いしてプレゼント選びに付き合ってもらった。

おかげで満足するプレゼントを選ぶことが出来た。

……気に入ってくれたらいいのだけど……。

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