イジワル上司に甘く捕獲されました
「ごめんな、美羽」
コトン、と私の前に温かいカフェ・オ・レを置いて。
潤さんは、今日何度目かわからないごめんな、を呟いた。
ここは潤さんの部屋。
あの後。
泣きながらしがみつく私を少し落ち着かせた後、潤さんは無言で私の手を引いて自宅へ連れ帰った。
私を優しくソファに座らせて、潤さんは私の向かい側の椅子に腰をおろした。
少しだけコーヒーを飲んでテーブルにマグカップを置いた潤さんは、ゆっくりと私を見た。
私は何だか居心地が悪くて俯く。
「美羽」
静かに呼ばれた声に肩がビクッと跳ねた。
熱いカフェ・オ・レを零しそうになる。
潤さんは少しだけ苦笑して私からマグカップを受け取った。
「美羽、ごめん。
……こんな形でしか言えなくて」
私の手をギュッと大きな手で握る潤さん。
繋いだ手から伝わってくる温もりに泣きそうになる。
「……美羽に最近ずっと、我慢や寂しい思いをさせてしまってた。
美羽が俺に何か言いたそうにしていたのもわかっていた。
……言い訳にしかならないけど、美羽を、元の支店に返す準備をきちんとしたかったんだ。
……俺が美羽を見送りたかったんだ。
……本当にごめん」
瞳に苦悩の色を滲ませて、真っ直ぐに私を見つめる潤さん。
泣きたい訳じゃないのに瞳が潤み出す。
「……私、不安だった。
何か言ったら……嫌われそうで。
私、潤さんに嫌われたらっ……」
ポトン、と瞳から零れおちた一粒の涙と一緒に言葉を落とす。
「……うん、美羽。
美羽が今、思っていること、俺に聞かせて。
……まだ美羽の気持ちに俺が間に合うなら」
ハッとして顔をあげると不安そうな顔をした潤さんがいて。
どうしてそんな顔、するの……?
想いは知らずに口から零れたみたいで。
「……美羽が好きだからだよ。
辛い思いばかりさせてしまったから、嫌われたんじゃないかと不安なんだ」
ハッキリと口にする潤さんに。
私の目の前が明るく開けた気がした。
「……私、私もそう思ってた……」
口にしたら身体の力が抜けて。
真っ直ぐに彼を見つめ返す。
「……だけど、きっと仕事が忙しいからだってわかってたから。
無理を言ってはいけないって、思ってた……重い彼女に、仕事を理解できないような彼女になりたくなかった……本当の気持ちを伝えて、潤さんに迷惑がられたり、鬱陶しがられたりしたらどうしようってそればっかり考えていたの……本当は不安で寂しくて恐かったのに」
コトン、と私の前に温かいカフェ・オ・レを置いて。
潤さんは、今日何度目かわからないごめんな、を呟いた。
ここは潤さんの部屋。
あの後。
泣きながらしがみつく私を少し落ち着かせた後、潤さんは無言で私の手を引いて自宅へ連れ帰った。
私を優しくソファに座らせて、潤さんは私の向かい側の椅子に腰をおろした。
少しだけコーヒーを飲んでテーブルにマグカップを置いた潤さんは、ゆっくりと私を見た。
私は何だか居心地が悪くて俯く。
「美羽」
静かに呼ばれた声に肩がビクッと跳ねた。
熱いカフェ・オ・レを零しそうになる。
潤さんは少しだけ苦笑して私からマグカップを受け取った。
「美羽、ごめん。
……こんな形でしか言えなくて」
私の手をギュッと大きな手で握る潤さん。
繋いだ手から伝わってくる温もりに泣きそうになる。
「……美羽に最近ずっと、我慢や寂しい思いをさせてしまってた。
美羽が俺に何か言いたそうにしていたのもわかっていた。
……言い訳にしかならないけど、美羽を、元の支店に返す準備をきちんとしたかったんだ。
……俺が美羽を見送りたかったんだ。
……本当にごめん」
瞳に苦悩の色を滲ませて、真っ直ぐに私を見つめる潤さん。
泣きたい訳じゃないのに瞳が潤み出す。
「……私、不安だった。
何か言ったら……嫌われそうで。
私、潤さんに嫌われたらっ……」
ポトン、と瞳から零れおちた一粒の涙と一緒に言葉を落とす。
「……うん、美羽。
美羽が今、思っていること、俺に聞かせて。
……まだ美羽の気持ちに俺が間に合うなら」
ハッとして顔をあげると不安そうな顔をした潤さんがいて。
どうしてそんな顔、するの……?
想いは知らずに口から零れたみたいで。
「……美羽が好きだからだよ。
辛い思いばかりさせてしまったから、嫌われたんじゃないかと不安なんだ」
ハッキリと口にする潤さんに。
私の目の前が明るく開けた気がした。
「……私、私もそう思ってた……」
口にしたら身体の力が抜けて。
真っ直ぐに彼を見つめ返す。
「……だけど、きっと仕事が忙しいからだってわかってたから。
無理を言ってはいけないって、思ってた……重い彼女に、仕事を理解できないような彼女になりたくなかった……本当の気持ちを伝えて、潤さんに迷惑がられたり、鬱陶しがられたりしたらどうしようってそればっかり考えていたの……本当は不安で寂しくて恐かったのに」