イジワル上司に甘く捕獲されました
……潤さん。

ここ最近は全く、と言っていいほどきちんと話せていない。

メールを送って時間が開いて簡単な返事が返ってくるというものが殆ど。

きっと忙しいのだろうけれど、業務内容が私にはわからないから何の感想も労いも言えず。

無理矢理にでも会いに行こうかと考えたけれど、入れ違いになってしまうことが心配で。

ううん。

何よりも。

たった二ヶ月くらいで。

音を上げたのかと。

呆れられたくない……。

潤さんは頑張っている、仕事も何もかも。

前に進んでいる。

だけど私は。

いつもどんな時も。

潤さんを思い出して。

あの時はこうだったのに、とか。

潤さんならこんな時はこう言うかな、とか。

こんな毎日はいつまで続くの……?とか、そんな。

後ろ向きな毎日をずっと送っている。

電話をかけることも。

メールを送ることも。

私の日々を報告することも。

もしかして。

潤さんには必要なことじゃないんじゃないか。

そんなこと。

知りたい、なんて思っていないんじゃないか。

そんな思いが渦巻いて。

だけど。

それを口に出して聞く勇気もなくて。

結局。

何にも出来ずに足ぶみしている私を。

……嫌われてしまったんじゃないかと。

出てくれない電話を見つめる度に思ってしまう。

考えすぎ、そう思う。

大丈夫、そう言い聞かせる。

札幌を発つ前にあんなに約束したのに。

頑張れる、頑張るんだって決意したのに。

だけど。

彼は今ここにいなくて。

私は今、そばにいなくて。

わからないことが多すぎて。

迷子になってしまった子どもみたいに。

どうすればいいかわからない。

こんな自信のない、変わらない私が嫌で。

みっともなくて益々落ち込んでしまう。

「信じて待ってて」

そう言ってくれたのに。

それすら、もう危うくて。

……一緒にいる時は、こんな風に思わなかった。

峰岸さんのことで不安になった時ですら。

心の何処かで、大丈夫、だと思えていた。

……だって会えたから。

個人的には会えなくても出勤さえすれば顔が見れて声が聞けた。

だけど今は。

彼の存在は何処にもない。

ただ会えなくなった、それだけで。

私の心はこんなにもボロボロだ。



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