イジワル上司に甘く捕獲されました
月末に入り、いつも通り業務は忙しくなった。
期限の早いものから処理をしていかなければと焦る気持ちを抱えながら毎日を過ごしていた。
峰岸さんは時々、一応潤さんの確認をとってから私に潤さんの写真を送ってくれて。
私はその写真に何度も勇気付けられた。
峰岸さん曰く、潤さんは私の写真が送られて来ないことに不服だそうだけど。
私だけが元気をもらっていることは不公平かもしれないと何度か自撮りに挑戦したけれど上手くいかなくて。
潤さんをヤキモキさせる日々が続いている。
月末の業務をこなすなかで、桔梗さんと峰岸さんが話してくれていた社報も回覧で回されてはいたけれど、目を通す時間はなく。
月末に恒例のように飛び交う自身の支店の異動者しかわからなかった。
後で、落ち着いたらパソコンで閲覧しようと思いつつ日は過ぎていった。
そんな水曜日の午後七時半。
「ああ、やっと月初が過ぎましたねっ」
ロッカールームに一緒に降りてきた佳歩ちゃんが言う。
「今月は忙しかったですねぇ。
そう言えば融資の時田さん、異動ですよね?
明後日送別会だからって美羽さんに伝えてって城田さんに言われました」
「えっ、そうなの?
……わかった。
明日城田さんに返事しておくね」
「お願いしまぁす、あ、私、今日ここで預金の同期と約束しているので……」
「了解、じゃあ、お先に。
お疲れ様、また明日ね」
バタン、とロッカーの扉を閉めて。
いつものように靴を履きかえて。
地上に上がるエレベーターに乗って。
出口に立つ守衛さんに挨拶をして、いつものように最寄り駅に向かう。
「美羽」
……空耳だと思った。
そんな筈はないと。
「美羽」
もう一度呼ばれて。
あり得ないと思っていても。
振り返らずにはいられなかった。
期限の早いものから処理をしていかなければと焦る気持ちを抱えながら毎日を過ごしていた。
峰岸さんは時々、一応潤さんの確認をとってから私に潤さんの写真を送ってくれて。
私はその写真に何度も勇気付けられた。
峰岸さん曰く、潤さんは私の写真が送られて来ないことに不服だそうだけど。
私だけが元気をもらっていることは不公平かもしれないと何度か自撮りに挑戦したけれど上手くいかなくて。
潤さんをヤキモキさせる日々が続いている。
月末の業務をこなすなかで、桔梗さんと峰岸さんが話してくれていた社報も回覧で回されてはいたけれど、目を通す時間はなく。
月末に恒例のように飛び交う自身の支店の異動者しかわからなかった。
後で、落ち着いたらパソコンで閲覧しようと思いつつ日は過ぎていった。
そんな水曜日の午後七時半。
「ああ、やっと月初が過ぎましたねっ」
ロッカールームに一緒に降りてきた佳歩ちゃんが言う。
「今月は忙しかったですねぇ。
そう言えば融資の時田さん、異動ですよね?
明後日送別会だからって美羽さんに伝えてって城田さんに言われました」
「えっ、そうなの?
……わかった。
明日城田さんに返事しておくね」
「お願いしまぁす、あ、私、今日ここで預金の同期と約束しているので……」
「了解、じゃあ、お先に。
お疲れ様、また明日ね」
バタン、とロッカーの扉を閉めて。
いつものように靴を履きかえて。
地上に上がるエレベーターに乗って。
出口に立つ守衛さんに挨拶をして、いつものように最寄り駅に向かう。
「美羽」
……空耳だと思った。
そんな筈はないと。
「美羽」
もう一度呼ばれて。
あり得ないと思っていても。
振り返らずにはいられなかった。