イジワル上司に甘く捕獲されました
「はい、後はよろしく。
適当にして。
冷蔵庫にあるものでも何でも好きに使ってくれていいから」
お湯だけ沸かしてくれて、さっさと瀬尾さんはパソコンの前に座った。
「はあ……」
私はピカピカのキッチンに立って素麺を茹で始めようとすして、ふと考える。
お腹が空いてる感じがしたけれど、素麺だけでは栄養にならないし、何か付け合わせを作ればいいかな……。
冷蔵庫を開けて色々考えた末にサラダ素麺を作ることにした。
レタス、トマトを洗って、キュウリを細かく刻んで。
薄切りの豚肉があったので、茹でる。
失礼かと思いながらも、棚の中を探して市販の素麺つゆを別の器に入れて。
面倒臭がりの私はいつも素麺と一緒に、食べる時にブワッとかけてしまうのだけれど。
さすがに人それぞれ好みがあるだろうし、何より私が食べるわけではないから……と考えて別にした。
準備ができて、瀬尾さんを呼ぶ。
「お、旨そう」
嬉しそうに笑ってくれた。
「瀬尾さんってご自宅では眼鏡なんですか?」
ふと尋ねてみると。
「ああ、会社ではコンタクト」
と言って席について。
そして私を見上げる。
「橘の分は?」
「わ、私ですか?」
「腹減ってないの?
もう昼だろ?
一緒に食えば?」
自然に瀬尾さんに言われて、それでも私が躊躇していると。
溜め息を吐きながら言う。
「橘に持ってきてもらった素麺で昼メシ作らせて、俺だけ食うって、すごい極悪人みたいだろ。
いいからさっさと座って食えよ。
……食わないなら俺が食べさせてやるけど?」
ニッと口角をあげて、怪しい雰囲気で私を見つめる瀬尾さんに。
私はババッと自分の分をお皿に盛り付けて席についた。
「よし。
じゃ、いただきます」
パンっと手を合わせて箸をもつ瀬尾さん。
相変わらずの綺麗な長い指、そして悔しいくらいに綺麗な所作。
「うん、ウマイ」
嬉しそうに笑ってくれる姿に、ドキリと痛いほど高鳴る鼓動。
耳が、頬が瞬く間に熱をもつ。
「あ、ありがとうございます……。
い、いただきます……」
慌てて下を向いて箸をもつ私。
そんな私の様子に気付いているのか、クスリと優しい笑みを浮かべながら彼は食事を続けた。
適当にして。
冷蔵庫にあるものでも何でも好きに使ってくれていいから」
お湯だけ沸かしてくれて、さっさと瀬尾さんはパソコンの前に座った。
「はあ……」
私はピカピカのキッチンに立って素麺を茹で始めようとすして、ふと考える。
お腹が空いてる感じがしたけれど、素麺だけでは栄養にならないし、何か付け合わせを作ればいいかな……。
冷蔵庫を開けて色々考えた末にサラダ素麺を作ることにした。
レタス、トマトを洗って、キュウリを細かく刻んで。
薄切りの豚肉があったので、茹でる。
失礼かと思いながらも、棚の中を探して市販の素麺つゆを別の器に入れて。
面倒臭がりの私はいつも素麺と一緒に、食べる時にブワッとかけてしまうのだけれど。
さすがに人それぞれ好みがあるだろうし、何より私が食べるわけではないから……と考えて別にした。
準備ができて、瀬尾さんを呼ぶ。
「お、旨そう」
嬉しそうに笑ってくれた。
「瀬尾さんってご自宅では眼鏡なんですか?」
ふと尋ねてみると。
「ああ、会社ではコンタクト」
と言って席について。
そして私を見上げる。
「橘の分は?」
「わ、私ですか?」
「腹減ってないの?
もう昼だろ?
一緒に食えば?」
自然に瀬尾さんに言われて、それでも私が躊躇していると。
溜め息を吐きながら言う。
「橘に持ってきてもらった素麺で昼メシ作らせて、俺だけ食うって、すごい極悪人みたいだろ。
いいからさっさと座って食えよ。
……食わないなら俺が食べさせてやるけど?」
ニッと口角をあげて、怪しい雰囲気で私を見つめる瀬尾さんに。
私はババッと自分の分をお皿に盛り付けて席についた。
「よし。
じゃ、いただきます」
パンっと手を合わせて箸をもつ瀬尾さん。
相変わらずの綺麗な長い指、そして悔しいくらいに綺麗な所作。
「うん、ウマイ」
嬉しそうに笑ってくれる姿に、ドキリと痛いほど高鳴る鼓動。
耳が、頬が瞬く間に熱をもつ。
「あ、ありがとうございます……。
い、いただきます……」
慌てて下を向いて箸をもつ私。
そんな私の様子に気付いているのか、クスリと優しい笑みを浮かべながら彼は食事を続けた。