断罪アリス


「な……っ!?離──」




「すみません、アリスさん。俺は貴女の為に自ら死ぬことも出来ません」




「だから、私が君を──」




「でも、俺は貴女に人を殺して欲しく無いです」




俺の言葉に腕の中のアリスさんがビクリと震えた。




腕の中にすっぽりと埋まってしまう程、華奢な身体に彼女はどれだけの重荷を背負っているのだろう?




俺だったら潰れてしまうような重荷を、彼女はこの身体で支えている。




これ以上、彼女に重荷を──人殺しという重荷を背負わせたくない。




だから、俺は──。




「アリスさん、俺に貴女を守らせてください」




俺はアリスさんを守りたい。




でも、守るというのは名目で、彼女に人を殺させないというのが俺の目的だ。



頭が良く、意思の固いアリスさんなら簡単には頷きそうにもないが、一か八か……。






< 224 / 595 >

この作品をシェア

pagetop