断罪アリス
「な……っ!?離──」
「すみません、アリスさん。俺は貴女の為に自ら死ぬことも出来ません」
「だから、私が君を──」
「でも、俺は貴女に人を殺して欲しく無いです」
俺の言葉に腕の中のアリスさんがビクリと震えた。
腕の中にすっぽりと埋まってしまう程、華奢な身体に彼女はどれだけの重荷を背負っているのだろう?
俺だったら潰れてしまうような重荷を、彼女はこの身体で支えている。
これ以上、彼女に重荷を──人殺しという重荷を背負わせたくない。
だから、俺は──。
「アリスさん、俺に貴女を守らせてください」
俺はアリスさんを守りたい。
でも、守るというのは名目で、彼女に人を殺させないというのが俺の目的だ。
頭が良く、意思の固いアリスさんなら簡単には頷きそうにもないが、一か八か……。