断罪アリス
「んー、簡単に言えば、飛んで火に入る夏の虫かな?」
「は?」
「つまり、切碕は私達の罠にハマッたってわけ」
罠?
つまり、こういうことらしい。
アリスさんは対切碕の為にわざと大学のセキュリティを乗っ取らせて、放送もジャックさせた。
そこからやることは大体予想できていたらしく、アリスさんは理事長や寿永さんに協力を仰いだ。
学生達の安全の確保を理事長に、切碕の仲間の確保を寿永さんに任せた。
俺の安全は玖下さんや和泉、柳に託し、アリスさんは更なるセキュリティの強固をしていたらしい。
結果的に、全てはアリスさんの想定通りに進み、切碕の仲間の捕獲を強行出来た。
「……まあ、切碕の仲間を捕獲するのは無理だろうけど」
アリスさんはつまらなそうに視線を横に向けた。
そこには放送していたはずの理事長と寿永さんがいた。