断罪アリス
≪朱鷺side≫




「う……っ」




腹の傷が痛んで体がよろけ、壁に寄りかかった。




熱く痛む腹に触れれば、手のひらは真っ赤に染まっていた。




「アリスを裏切った罰かな……」




腹の傷は切碕の命令で殺した智さんの付き人にやられたものだ。





付き人も殺してやったが、アリスも三月さんも公にはしていない。




でも、聡い二人なら手口を見て、俺がやったことに気付いているはずだ。





ズキズキと痛む腹の傷を俺は止血だけして治療しなかった。




こんな痛みはアリスが感じた痛みに比べたら何でもない。




俺が裏切って、父親を殺した。





それがアリスにとって、どれだけ悲しかったか俺には分かっている。




分かっているけど、俺はもうアリスの元には戻らない。




いや、戻れない。





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