断罪アリス
「……弟に何があったか話してもらおうか、藤邦アリス」
なず姉は俺から離れると藤邦さんを睨み付けた。
藤邦さんとなず姉って知り合い?
この二人のやり取りを見る限り初対面とは思えない。
「──切碕に殺されかけた……。そうとだけ言っておくよ」
藤邦さんの言葉に、なず姉は驚きを隠せていなかった。
なず姉の様子を見る限り、なず姉も≪切碕≫という人物のことを知っているようだ。
でも、何でこんなに驚くのだろう?
弟が殺されかけたことに驚かない訳が無いのだが、俺が知ってるなず姉の反応と違っているように思えた。
まるで、その男が俺を殺そうとするはずがない──、と思っているようだった。