Spice‼︎
梨花のカラダは昔より反応が悪かった。

まるで初めてのように緊張してるのがわかった。

「梨花さん…もっと力抜いて…」

梨花はこの3年、男と寝てない。

上海で何人かの男に誘われて付き合ったが
誰1人とそうなる事はなかった。

「ごめん…なんだか久しぶりすぎて…緊張しちゃって…」

もちろん風間はこの3年それなりに遊んだ。

ヒロのバーで出会った適当な相手と一夜を共に過ごしたりしたこともあったし、
同僚に誘われた合コンで意気投合してホテルに泊まった子もいた。

しかしそんな彼女たちと恋愛に発展することはなく、
自分のカラダの欲を鎮めるだけの相手でしかなかった。

風間にはずっと梨花だけだった。

そして梨花は桐原だけだったんだろうと風間は思った。

桐原と逢わなければ…他の男は必要ない。

梨花は桐原に執着するのが怖くて
他の男と寝るのだという事を風間は知っていた。

結局自分は桐原に充てがわれただけのただの予防線なのだ。

桐原に惚れさせないために
桐原が惚れすぎないために利用されただけの
まさしく梨花にとってのただのオモチャだった。

そう思うと悔しくて憎たらしくて
梨花を啼かせてみたくなる。

風間は梨花の敏感な部分を焦らすように攻める。

梨花は気持ち良さそうにカラダを捻る。

心はなくてもカラダの欲求が梨花を淫らにしていく。

「梨花さん…欲しい?」

梨花が頷くと風間は言った。

「風間くんが欲しいって言ってくれたらあげますよ。」

梨花は泣きそうな声で言った。

「風間くんが欲しい…」

風間は目を伏せて言った。

「梨花さんが本当に欲しいのは僕じゃないでしょう?」

我に返ったように梨花の瞳からポロポロと涙が溢れてくる。

「でも…僕は貰いますよ。梨花さんを…」

決して心までくれない梨花のカラダだけを風間は自分のモノにした。




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