Spice‼︎
ヒロとキスしてるうちに梨花はどうでも良くなって
ヒロとそのまま抱き合った。

梨花は声を抑えながら快楽に身を委ねる。

ヒロに抱かれてる間は変わって行く風間との関係も
桐原への面倒な未練も忘れられた。

ヒロはそれがわかってるのか何も聞かずに
ただ梨花を抱きしめた。

「久しぶりに頭の中空っぽになった。」

「私も。」

いけないことだとは思ったけど…
お互い罪悪感は不思議となかった。

なぜか2人とも気持ちが軽くなった。

「じゃあ帰るね。」

「梨花、シャワー浴びてから帰れば?

バレるだろ?」

「大丈夫。」

梨花は服を整えるとそのまま店を出て行った。

ヒロは店の奥にあるシャワーで身体を清めてから希の待つ部屋に帰った。

希はまたお酒を飲んでいた。

「また飲んだの?先生に止められてるだろ?」

希は不摂生な生活が祟り、
肝臓を悪くしてお酒を飲むのを禁止されていた。

「ヒロが遅いからよ。

店とっくに終わってるよね?

誰といたの?」

希は子供に逢いたくても逢えず、
ヒロに当たるようになって生活は荒れて行った。

子供よりヒロと生きることを選んだことをずっと後悔していた。

ヒロもそんな希に疲れてやりきれない毎日だった。

梨花との情事はほんの少しの逃げ場所だったが
息の詰まるようなこの部屋に戻ると
もう一度梨花に逢いたくなった。





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