Spice‼︎
風間は南とどうやって別れるかを考えていた。

しかしお見合いしてからというもの父の機嫌がいいのが気にかかる。

もし断ったりしたらどんな仕打ちが待っているのかと考えるだけで背すじが寒くなる。

梨花を守るために何とかしなければならない。

隣で眠る梨花の髪を撫で、
気持ちを強く持つが、昔梨花を倉庫に追いやったり
不当に解雇しようとしたりした父のことを思うと不安で仕方なかった。

次の日は日曜で風間は梨花と１日デートの予定だ。

遅く起きて近くのカフェでブランチを食べ
観たかった映画に行く。

映画を観終わって出てくると

「風間くん？」

と風間が後ろから声をかけられた。

声の主は高校の時、風間と同じクラスだった南の親友の清香だった。

「き、清香？」

清香は梨花を見て不思議そうな顔をしている。

「誰？彼女？」

風間はそれに答えられない。

「風間くん、南とお見合いしたんだよね？」

やっぱり知ってたか…と風間は戸惑った。

「清香…このことは僕から南に話すから…黙っててもらえないかな？」

「まさか…風間くん南と結婚しないつもりなの？
南はこのこと知ってるの？」

梨花は少し困ってしまった。

彼女じゃないって話した方がいいのか…
それとも彼女アピールした方がいいのかよくわからない。

何も答えない風間に清香は不満そうな顔をしながら
一緒に映画を観に来たと思われる男の方へ歩いて行った。





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