ヴァージンロード <続>Mysterious Lover
「は?」
『ずいぶん激しかったみたいだねえ、昨夜は。外に出るときは、スカーフとマフラー、二重まきをお勧めするよ』
げっ……。
急いで振り返ると、奈央さんのはだけたシャツの胸元、白い鎖骨にいくつも浮かび上がるのは……
……う、キスマーク。
オレ、こんなにつけたっけ?
「奈央さん、ちょっとあっち行って!」
「え? 何で?」
「いいからっ!」
オレは奈央さんをキッチンへ押し出して。
ライアンの視界から遠ざける。
『やぁほんとに、おめでとう♪ 今夜は親友の幸せな朝に乾杯するとしよう。じゃ、お土産は東京バナナでよろしく! See you my friend!』
「あ……ちょっと待て! ライアン!!」
叫び声もむなしく、ブツリ、と画面はブラックに。
あ……のやろっ……逃げやがったな!
「いいじゃない。今日一緒に買いに行こ?」
そう言って、奈央さんは笑いながら冷蔵庫を開ける。