ヴァージンロード <続>Mysterious Lover

イケメンだとか美形だとか、
この顔を褒められることはよくあるけど、別にそれをうれしいと思ったことはないんだよな。謙遜とかじゃなくて本気で。

望むのはたった一つだったから。
あの人の目に、いい男と映ること。
それだけ——。

でも。たったそれだけのことが……実は難しいんだけど。
オレは一人、苦笑した。


◇◇◇◇
西新宿のホテルへチェックインを済ませ、簡単に荷物を解いた後、
オレは新宿駅へ戻った。

奈央さんが仕事を終えるまでどうやって時間をつぶそう?

やっぱり彼女の会社、曙エージェンシーに顔を出そうか。
以前オレも数か月間そこで働いていたことがあって、
その時知り合ったメンバーとは、今でもLINEで連絡を取り合ってたから。

高城さんとか田所さんとか松園さんとか……
元気かな。

急いで飛行機に飛び乗ったせいで、土産っぽいものを何も用意してなかったことに今更気づいて。
オレは伊勢丹にでも寄ろうと、新宿通りを御苑方向へ歩き始めた。
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